中国の外貨管理2023
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275 改定前の条文 改定前の条文 改定後の条文 1.「国際収支統計申告規則改定版の主な変更点 中国における国際収支統計申告は通常,外貨・人民元のクロスボーダー受取・支払を行う居住者が決済業務を取り扱う金融機関を通じて行うこととなっており,外貨管理局が申告受理と統計業務を担当している。 改定版では,貿易決済や直接投資などのクロスボーダー取引だけでなく,居住者の対外金融資産・負債も申告対象とすることを規定している。これに伴い,対外金融資産・負債を有する居住者個人に対する申告義務が明記されている。また,申告義務主体を居住者から非居住者にまで拡大している。非居住者による申告は,中国国内で経済取引を行った場合に必要となるが,居住者との取引は通常,居住者側で申告を行うため,実際に非居住者による申告が求められるケースは限定的とみられる。主な変更点は次の通りである。 国際収支統計の申告範囲は,居住者と非居住者との間で発生した一切の経済取引とする。(第2条) 申告範囲 居住者は,遅滞なく,正確に,完全にその国際収支情報を申告しなければならない。(第7条) 申告義務主体 中国国内の証券取引商及び証券登記機関が自営または顧客を代理して対外証券取引を行う場合,国家外貨管理局もしくはその分支局にその自営及び顧客を代理して行った対外取引及び相応の収支ならびに配当,利息支払の状況を申告しなければならない。(第9条) 中国国内の取引商が先物,オプションなどの方式で自営もしくは顧客を代理して対外取引を行う場合,国家外貨管理局もしくはその分支局にその自営及び顧客を代理する対外取引及び相応の収支状況を申告しなければならない。(第10条) 証券取引などの 申告義務 個人の 対外金融資産 関連規定なし (出所)「国際収支統計申告規則」 居住者が本規則に違反した場合,国家外貨管理局もしくはその分支局は情状に基づき警告,通報批判もしくは罰金を下罰則 国際収支統計の申告範囲は,居住者と非居住者との間で発生した一切の経済取引及び居住者の対外金融資産,負債状況とする。(第2条) 居住者及び中国国内で経済取引が発生した非居住者は,規定に基づき遅滞なく,正確に,完全に国際収支情報を申告しなければならない。(第7条) 中国国内で登記決済,委託管理などのサービスを提供する機関及び自営もしくは顧客を代理して対外証券,先物,オプションなどの取引を行う取引商は,国家外貨管理局及びその分支局に対外取引及び相応の収支ならびに配当,利息支払の状況を申告しなければならない。 (第9条) 対外金融資産,負債を有する居住者個人は,国家外貨管理局の規定に基づきその対外金融資産,負債の関連状況を申告しなければならない。(第13条) 改定後の条文 居住者,非居住者が規定に基づき国際収支統計申告を行わない場合,国家外貨管理局もしくはその分支局は「中華人民共

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