中国の外貨管理2023
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② 主たる債務契約に定められている融資条件と債務者が表明した借入資金の使③ 保証の各当事者に保証履行を通じて被保証債務の繰上げ返済の意図があるか④ 保証の各当事者が,これまでに保証人,裏保証人,債務者の身分で悪意を持① 企業が保証人(または銀行による国内保証・国外借入業務の裏保証人)として保証履行を行う場合,履行額は当該企業の国外貸付限度額として計上され の国外投資関連規定を遵守しているか,国外の法律に基づき合法的に設立されたものかなどにつき重点的に審査する必要がある。 (2)保証履行発生の可能性に関する審査の強化 銀行に対し国内保証・国外借入業務を行う際,主要な返済資金源及び保証履行発生の可能性に対する審査を着実に強化するよう求めている。また保証履行義務が確実に発生することを知る,または知りうる場合においてクロスボーダー保証契約を締結してはならないとし,銀行による審査のポイントとして以下4点を示した。 ① 保証契約を締結するにあたり,債務者自身が十分な返済能力または予測可能な返済資金源を有しているか否か。債務者に見込まれる返済資金源が不明または明らかな瑕疵がある場合,銀行はそれのために国内保証・国外借入業務を行ってはならない。また債務者の返済資金源が明確であるものの,経営状態が芳しくないまたは負債比率が異常に高い場合,銀行はそれのために慎重に国内保証・国外借入業務を行わなければならない。 途に明らかな不一致があるか否か。 否か。 って保証履行または債務不履行したことがあるか否か。 (3)保証履行に関する管理の強化 国内保証・国外借入において保証履行が発生した際,最終的に対外債権者となる国内保証人または裏保証人は,規定に基づき対外債権登記を行わなければならない旨を重ねて述べている。 登記・管理されなければならない。 また注意すべき点として,「さらに国内企業の元建て国外貸付業務関連事項の明確化に関する通達」(中国人民银行关于进一步明确境内企业人民币境外放款业务有关事项的通知)(銀発[2016]306号)では,企業の人民元建て・外貨建て国外貸付残高の合計は企業の前年度末における監査済の純資産額の30%を超えてはならないと定めているため,企業が保証人として保証履行を行う際,当該企業の国外貸付業務の限度額に一定の影響を与える可能性がある点が挙げられる。 265

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