中国の外貨管理2023
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① 外貨管理局の承認を受けなければ,「借入金を国外に留保すること」「国外での直接支払に充当すること」また「借入外貨を人民元に交換し使用すること」② 短期の借入金を設備投資などのための長期資金や他の不当な使途に用いる 第1節 対外借入に対する管理 1.借入金の国外留保,使途の制限 中国進出企業が外貨資金を調達する方法には,国外の銀行や親会社から,あるいは中国国内の外資系銀行や中資系銀行からの外貨借入がある。外資系企業の「中国国外からの外貨借入」は対外債務として届出・登記が必要で,中国国内での「国内外貨借入」は国内債務なので登記不要である。従来,外貨建て借入金の元転には多くの制限があったが,近年,外貨借入金の元転に関する規制緩和が進んでいる。例として,2016年6月9日から外債資金の自由元転措置が全国で展開されたこと,17年1月26日から国内外貨借入金の元転範囲が拡大されたことなどが挙げられる。 さらに,2020年4月14日付で公布された「外貨管理の最適化,対外業務発展への支援に関する通達」(匯発[2020]8号)では,輸出を背景とする国内の外貨借入金について,外貨購入による弁済に係る規制が緩和された。 外資系企業の対外借入は対外債務(外債)として監督・管理されている。対外借入には限度額規制があり,また対外債務の届出・登記手続が必要である。その管理モデル及び届出・登記手続については第8章を参考されたい。 1998年1月1日より施行された「国内機関の国際商業借款管理規則」(境内机构借用国际商业贷款管理办法)([97]匯政発字第06号)は次の通り規定している。 はできない(第12条)。 ことはできない(第18条)。 242*** Point ***! 第10章 外貨借入

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