中国の外貨管理2023
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2.「投注差」モデル(一般の外資系企業適用) 3.一部地域における外債管理の試行措置 譲渡・減免 (出所)「全範囲クロスボーダー融資マクロプルーデンス管理の関連事項についての通達」 なお,「Q&A」では上記の計上対象外のクロスボーダー融資業務について,現行の外債管理規定に基づき,外債登記手続が必要な場合,相応の手続を行わなければならないとした。 全国で全範囲クロスボーダー融資マクロプルーデンス管理モデルが普及・実施される以前の一般の外資系企業(すわなち,外資系投資性会社,外資系リース会社,外資系不動産企業を除く)に対する主な外債管理モデルは「投注差」モデルであった。 「対外債務管理暫定規則」(外债管理暂行办法)(国家発展計画委員会,財政部,国家外貨管理局令2003年第28号)第18条では,「中長期外債の累計発生額と短期外債の残高の合計額が審査・許可部門が承認したプロジェクトの投資総額と登録資本金との差額を超えないこと。投資総額と登録資本金との差額の範囲内であれば,外資系企業が直接外債契約を締結することができる」と規定している。 「クロスボーダー保証外貨管理オペレーション手引」(跨境担保外汇管理操作指引)(匯発[2014]29号)では,「国外保証・国内借入に係る保証履行によって形成された国内債務者の対外負債について,その未償還元本残高のうち,その前年度末の監査済純資産を超えた部分は債務者自身の外債限度を用い,短期外債として「投注差」管理の対象とする」と規定している。 「投注差」管理モデルでの外債規模は以下の規則に基づき管理される。実際の借入可能額は,投注差に外国側の資本金の払込比率を乗じた額となる。 (企業の中長期外債の発生額+短期外債残高+国外保証・国内借入に係る保証履行によって形成された対外負債においてその未償還元本残高がその前年度末の監査済純資産を超えた部分)≦(投資総額-登録資本金) (1)外債利便化限度枠の試行 国家外貨管理局は2018年に北京市中関村国家自主創新モデル地区で条件を満たす中小・零細ハイテク企業に対し,一定の枠内での自主的な外債の借入を認めた。また,2020年3月19日に「外債利便化試行の拡大によるハイテク企業のクロ付方式で国内子会社に用いる場合 企業・金融機関がクロスボーダー融資資金の持分化(デッド・エクイティ・スワップ)や債務減免で獲得した資金 227

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