中国の外貨管理2023
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 その他の外債(リボルビング方式の借入,未引出あるいは一部引出済の非リボルビング方式での借入,届出を申請中の当該外債)について,契約額を計上。  国内企業の国外保証・国内借入に係る保証履行により形成された外債は,直接当該企業のクロスボーダー融資リスク加重残高に計上され,別途他の枠は与えられない。 項目 クロスボーダー 融資リスク加重 残高の計算式 (続き) クロスボーダー 融資リスク加重 残高上限の 計算式 コントロール 措置 口座 調達した外貨 資金の元転 資金の使途 クロスボーダー 融資業務 (出所)「全範囲クロスボーダー融資マクロプルーデンス管理の関連事項についての通達」 内容 各リスク因数の数値については,後述を参照されたい。 クロスボーダー融資リスク加重残高の上限=資本もしくは純資産×クロスボーダー融資レバレッジ率×マクロプルーデンス調節パラメーター(第6条) (注)残高の上限は,人民元を単位とする(第8条)。クロスボーダー融資レバレッジ率,マクロプルーデンス調節パラメーター及び実際の上限額については,後述を参照されたい。 企業及び金融機関は,リスク転換因数,クロスボーダー融資レバレッジ率及びマクロプルーデンス調節パラメーターの調整によりクロスボーダー融資リスク加重残高が上限を超える場合,既存のクロスボーダー融資契約は期限まで保有することができる。残高が上限内に戻るまで,ロールオーバーを含む新規融資は取り扱えなくなる。(第9条) クロスボーダー融資に係る資金取引について,企業は一般の銀行口座もしくは自由貿易口座で取扱うことが可能である。(第10条) (注)ここで言う「一般の銀行口座」は「専用口座」と対応していない。企業は一般の銀行口座でクロスボーダー融資を行う場合,現行の外債口座関連規定にしたがわなければならない。(「Q&A」) 【企業】自由元転することができる。(第10条) 【金融機関】国家外貨管理局の許可を受け,元転して使用することができる。(第11条) 【企業】国家の関連規定に合致し,自社の生産経営活動のために用い,且つ国家と自由貿易試験区の産業マクロコントロールの方向性に一致していなければならない(第10条)。詳細について,後述を参照されたい。 【金融機関】資本金の補充,実体経済発展への貢献に用いることができ,且つ国家の産業マクロコントロールの方向性に一致すること。(第11条) 【企業】 1.企業はクロスボーダー融資契約締結後から引出日の3営業日前までの間に,遅滞なく国家外貨管理局の資本項目情報システムにクロスボーダー融資情況契約届出を行わなければならない。企業のクロスボーダー融資業務を取扱う決済銀行は,中国人民銀行の人民元クロスボーダー受取・支払情報管理システムに企業の融資情報,口座情報,人民元クロスボーダー収支情報などを送信しなければならない。すべてのクロスボーダー融資業務資料は,決済銀行で保管して検査に備え,保管期限は当該クロスボーダー融資業務の終了日から5年間とする。 (注)国家外貨管理局広東省分局が2019年8月に公布した「資本項目外貨業務取扱指南」では,企業(非銀行債務者)は対外債務契約調印後,15営業日以内に所在地の外貨管理局で「対外債務契約登記手続」を行わなければならないとしている。そのため,実務上は,各地の外貨管理局の関連規定を確認されたい。 223

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