中国の外貨管理2023
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項目 適用対象 監督管理機関 クロスボーダー 融資リスク加重 残高の計算式 内容 の資本あるいは純資産により算出される金額を上限に,自主的に人民元・外貨のクロスボーダー資金の調達ができる。すなわち,企業及び金融機関がクロスボーダー融資を展開する際,リスクの度合に応じた加重平均により残高を計算し(借入済の未償還残高),リスク加重残高は上限を超えてはならない。 クロスボーダー融資リスク加重残高≦クロスボーダー融資リスク加重残高上限 以下で,銀発[2017]9号及び2017年5月27日付で公布された「全範囲クロスボーダー融資マクロプルーデンス管理政策に関するQ&A(第1期)」(全口径跨境融资宏观审慎管理政策问答(第一期))(以下「Q&A」という)に基づき,全範囲クロスボーダー融資マクロプルーデンス管理モデルを解説する。 (1)要点 本通達は,法に基づき中国国内で設立した法人企業(以下「企業」という)及び法人金融機関に適用する。企業は非金融企業に限り,かつ政府融資プラットフォーム及び不動産企業は含まない。金融機関とは中国人民銀行,中国銀行業監督管理委員会,中国証券監督管理委員会及び中国保険監督管理委員会の批准により設立した各種法人金融機関を指す。また,外国銀行(中国香港・マカオ・台湾地域の銀行は参照して適用する。以下同)の国内支店は本通達の適用範囲に組み入れ,特殊な説明がある場合を除き,関連政策については国内の法人外資系銀行を参考とする。(第1条) (注)2018年4月8日,中国銀行業監督管理委員会,中国保険監督管理委員会の統合により発足した中国銀行保険監督管理委員会が運営開始。 中国人民銀行は,27の銀行類金融機関に対してマクロプルーデンス管理を行う。(第2条) 国家外貨管理局は,企業及び27の銀行類金融機関以外のその他の金融機関のクロスボーダー融資に対して管理を行う。(第2条) クロスボーダー融資リスク加重残高=Σ人民元・外貨クロスボーダー融資残高×期限リスク転換因数×類別リスク転換因数+Σ外貨クロスボーダー融資残高×為替リスク換算因数(第3条) 加重残高は,人民元を単位とする。(第8条) 「Q&A」では,外貨のクロスボーダー融資は契約日の為替相場で換算するとした。また,クロスボーダー融資リスク加重残高の計上基準について,下記の通り説明した。  中長期外債及び短期外債はいずれもその残高を計上。  非リボルビング方式の借入で,全額引出の場合,未償還残高を計上。 (出所)「全範囲クロスボーダー融資マクロプルーデンス管理の関連事項についての通達」 222

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