外資系企業にとっての対外債務（外債）とは，一般的に中国国外にある親会社や金融機関などからの外貨建て借入をいう。外資系企業の対外借入は，当局の許可は不要であるが，限度額に規制があるほか，外貨管理局での外債契約の届出・登記が義務付けられている。 一方，外債業務管理プロセスが大幅に簡素化され，外債口座の開設，外債資金の元転，元利金弁済などは銀行が直接取扱うことが可能になった。2019年10月25日より，非銀行債務者は所属の外貨管理局分局（外貨管理部）管轄内の銀行で，条件を満たす外債の登記抹消手続を行うことが可能になったと同時に，その手続期間の制限が撤廃された。また，一部地域で非金融企業による外債の個別登記の撤廃も試行されている。試行地区における非金融企業は，所在地の外貨管理局でその純資産の2倍を上限に外債を登記することができる。登記金額内で自主的に外債資金を借り入れ，直接銀行で入出金及び元転・外貨転手続をすることが可能になる。なお,一部の試行地区において,条件を満たすハイテク企業,または一定の専門性や特色あるなどの企業に対し，一定枠内での自主的な外債の借入を認めた。 対外債務の管理に関する基本法規には2003年3月1日より施行された「対外債務管理暫定規則」（外债管理暂行办法）（国家発展計画委員会，財政部，国家外貨管理局令2003年第28号）がある。この規則では対外債務を分類し，それぞれの対外債務関連行為を監督管理の対象とした。このほか，関係する規則や通達としては，「対外債務統計モニタリング暫定規定」（外债统计监测暂行规定）（1987年公布），「国内外資銀行の対外債務管理規則」（境内外资银行外债管理办法）（国家発展改革委員会，人民銀行，中国銀行業監督管理委員会令2004年第9号，04年6月26日施行），「外国為替管理条例」（中华人民共和国外汇管理条例）（国務院令第532号，08年8月改定施行），「対外債務登記管理規則」（外债登记管理办法）（匯発[2013]19号の付属文書，13年5月13日施行），「資本項目元転管理政策の改革及び規範化に関する通達」（国家外汇管理局关于改革和规范资本项目结汇管理政策220*** Point ***！ 第９章 対外債務の管理と届出・登記
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