中国の外貨管理2023
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2.企業信用等級の認定基準及び管理原則ならびに措置 分類 「税関総署公告2022年第106号」に基づき認定。 【共通基準】 内部統制,財務状況,法令遵守,貿易安全の4つの基準に合計16項目を設ける。 【個別基準】 企業の類型と業務範囲により,加工貿易と保税輸出入,衛生検疫,動植物検疫,食品輸出入,輸出入商品の検査,代理通関,速達便運営,物流運送,越境ECプラット高級 認証 企業 認定基準 税関の信用等級の認定基準及び管理措置 管理措置 「新規則」第30条 次の管理措置が適用される。 ① 輸出入貨物の平均検査率を一般信用企業の平均検査率の20%以下とする。 ② 輸出貨物原産地調査の平均抜取検査率を企業平均抜取検査率の20%以下とする。 ③ 税関登録登記・届出,関連業務の手続を優先的に対応する。 ④ 他の国(地域)へ農産品,食品などを推薦する輸出企業の優先登録 ⑤ 税関への担保免除申請を可能とする。 ⑥ 企業に対する査察,検査頻度を減少する。 有効とされる。「新規則」の実施にあわせ, 22年10月より施行された「税関高級認証企業基準」(海关高级认证企业标准)(税関総署公告2022年第106号)では,認定項目の最適化などを行った。 なお,2019年8月24日より実施されている『「二段階申告(两步申报)」改革試行の展開に関する公告』(关于开展“两步申报”改革试点的公告)(税関総署公告2019年第127号)では,一部税関において輸入貨物の「二段階申告」改革試行を展開するとした。「二段階申告」の通関モデルにおいて,一般信用以上の企業が試行税関を経由して貨物を輸入した場合,企業はまず,貨物の概要を申告し,税関の承認を得た後に貨物を引き取ることができ,その後,規定された期間内において完全な申告を行うとしている。税関総署は20年1月1日から,輸入貨物の「二段階申告」改革試行実験を全面的に推進している。同時に,既存のモデルも保留されるため,企業は自ら何れかのモデルを選び申告することができる(『「二段階申告」改革の全面的な普及に関する公告』(税関総署公告2019年第216号))。 「税関総署公告2022年第106号」では,共通基準及び企業の類型と業務範囲によって定められた個別基準が設けられた。内部統制,財務状況,法令遵守,貿易安全の4つの基準がある(詳細は下表を参照されたい)。認証結果については,「達成」,「基本的達成」,「未達成」と「不適用」を設け,企業は同時に以下の3つの条件を満たし,かつ税関が承認した場合,認証企業に認定されたとする。 ① すべての基準項目において「未達成」の状況がない。 ② 共通基準項目において「基本的達成」が3項目を超えない。 ③ 個別基準項目において「基本的達成」が3項目を超えない。 200

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