中国の外貨管理2023
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第5章 輸入代金の支払管理制度 第1節 貨物輸入代金の支払 輸入企業は,輸入決済に際し銀行へ各種エビデンスを提出し,銀行が当該支払の適法性・真実性を書類上で確認する制度が実施されている。輸入決済管理について,2012年8月1日からは,貨物貿易外貨管理制度が適用され,企業ごとに輸入代金総額と輸入貨物価額の総額とを外貨管理局がシステム上で総量照合する方式に改められた。これは企業分類のA類企業を対象とした利便化措置である。 また,現在は,貨物貿易外貨の受取・支払企業リストにおけるA類企業が1件当たり5万米ドル相当以下で,「外貨払戻日」と「もとの受取・支払日」との間隔が180日を超える,または特殊な状況により元のルートでの外貨払戻が出来ない場合,事前に外貨管理局での登記手続を行う必要はなく,金融機関で直接行うことができるようになっている。 2020年8月31日より,銀行は貨物貿易の対外外貨支払業務を取り扱う際,業務展開原則に基づき,関連の輸入通関申告の電子情報の確認・検査手続を実施するか否かについて自ら決めることができるようになった。また,外貨管理局分局は国家外貨管理局に届け出た後,管轄地域で貿易外貨収支利便化の試行を行うことができるとした。試行企業は1件当たり5万米ドル相当額以上で,「外貨払戻日」と「もとの受取・支払日」との間隔が180日を超える,または特殊な状況により元のルートでの外貨払戻が出来ない場合,外貨管理局での登記手続を行う必要はなく,銀行で直接行うことができるとした。 輸入貨物の決済は,輸入企業が銀行に関係書類を提出し,銀行が関係書類を審査した後,外貨決済(外貨の対外支払)を行うことができる。輸入決済に必要な外貨は銀行から外貨を購入し経常項目外貨預金口座に預入しておくこともできる。「貨物貿易外貨管理手引の実施細則」(货物贸易外汇管理指引实施细则)(以下「細則」という)第14条において次の通り3種類の決済方式と取扱銀行による審査書類について定めている。一方,2020年8月31日付で公布された『「経常項目外貨190*** Point ***!

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