中国の外貨管理2023
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① 輸出に係る外貨払戻の国内支払人(出口项下退汇的境内付款人)はもとの輸出代審査待ち口座の入出金管理 (出所)「貨物貿易外貨管理手引の操作規程(銀行・企業版)」『「経常項目外貨業務手引(2020年版)」の印刷・公布に関する通達』 項目 審査待ち口座の入出金管理 (続き) 審査待ち口座の入金範囲と払出範囲,口座への付利 年版)」の印刷・公布に関する通達』 内容(抜粋) 2.貨物輸出に係る外貨払戻の取扱 輸出貿易の実務においては,一旦輸出した貨物の返品などにともなう返金が発生するときがある。「手引(2020年版)」に基づき,その場合の手続は次の通りである。 ①金融機関が外貨資金の口座入金を取り扱う前にあたり,企業リストの状態を調べ,受取外貨資金の性質を審査する。判断できないときは,企業に連絡し,説明を求める。その上で審査待ち口座に入金する。 ②同一取引における受取外貨が貨物貿易でもあり,サービス貿易でもあるときは,そのうちの貨物貿易部分を審査待ち口座に入金する。サービス貿易部分は,金融機関が関連書類(契約書,インボイス)を審査後に,企業の要求に基づき元転するか経常項目外貨預金口座に入金できる。企業が資金の性質と対応する金額を区分できない,もしくはサービス貿易の関連証明書類を提供できない場合は,受取外貨資金をすべて審査待ち口座に入金しなければならない。 (注)上記の通り,「手引(2020年版)」第10条では,「企業の貨物貿易に係る外貨収入は,輸出受取代金の審査待ち口座へ一旦入金,経常項目に係る外貨決済口座への入金,もしくは元転することができる」と定めた。(以下同) ③代理輸出は,代理人側が外貨を受け取らなければならない。代理人が外貨を受取後は,委託代理協定に基づき,外貨のまま委託者側に振り替えるか,元転して人民元を委託者側に振り替えることもできる。委託者側が代理人側からの外貨代金を受取る際には,審査待ち口座に入金する必要はない。 ④譲渡可能信用状に係る貿易外貨の受取は,金融機関が譲渡可能信用状の約定に基づき代金の帰属を判断し,併せて「輸出する者が外貨を受取る」との原則にしたがい支払をする。そのうち第二受益者に属する輸出受取外貨は,第二受益者の審査待ち口座に直接,振替入金する。 ⑤貨物貿易に係る人民元の受取は,審査待ち口座に入金せず,企業の人民元口座に直接に振替入金することができる。 ⑥輸出トレードファイナンスに係る資金は,金融機関が貸出を実行するとき及び輸出貨物代金を回収するときには,いずれも企業審査待ち口座に入金する必要はなく,企業の経常項目外貨預金口座に直接に振替入金することができる。 ⑦金融機関は,企業のために審査待ち口座資金の元転/振替払出手続を取り扱う前に,企業リストの状態及び分類状況を調べ,規定にしたがい,取引証明書類の真実性,貿易外貨の受取・支払との一致性を審査する。 入金範囲:貨物貿易に係る外貨収入(輸出トレードファイナンスに係る国内金融機関の貸出実行及び国外からの資金回収は含まない)。 払出範囲:外貨の元転,企業の経常項目外貨決済口座への振替入金,外貨管理局で登記済みの他の外貨払出。 輸出受取代金の審査待ち口座間では,資金の相互振替をしてはならない。口座内資金は流動性預金に基づき付利する。(「手引(2020年版)」第10条) (出所)「貨物貿易外貨管理手引の操作規程(銀行・企業版)」『「経常項目外貨業務手引(2020184

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