中国の外貨管理2023
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(出所)「貨物貿易外貨管理の手引」「貨物貿易外貨管理手引の実施細則」 ⑭ 電子データ確認検査 ⑮ 罰則 ⑯ 附則 ⑰ 5種類の申請・報告フォーム 項目 貿易外貨 取扱の原則 企業提出の関係書類に対する銀行の審査原則 貨物貿易受取・支払リスク業務リストの作成 企業分類管理の 内容(抜粋) 「手引」「実施細則」「操作規程」の一部内容が「手引(2020年版)」に統合されたため,下記では主に「手引(2020年版)」に基づき解説する。 (1)総則規定 企業の貨物貿易に係る外貨の受取・支払は,真実かつ合法的な取引の背景を有しなければならず,架空の貿易取引を背景とした外貨受取・支払業務を取り扱ってはならない。(「手引(2020年版)」第7条) 輸出企業は,貨物輸出後,契約にしたがい代金を遅滞なく,満額回収するか,規定にしたがい国外へ預入留保しなければならない。貨物代金受領後は,契約にしたがい貨物を遅滞なく,すべて輸出しなければならない。 輸入企業は,貨物輸入後,代金を遅滞なく満額支払わなければならない。また貨物代金支払後は,契約にしたがい貨物を遅滞なく,すべて輸入しなければならない。(「手引(2020年版)」第8条) 企業が貨物貿易に係る外貨受取・支払業務を取り扱う際,銀行は貨物貿易システムを通じて,企業のリスト登記情報及び分類情報を確認し,「顧客を理解する」「業務を理解する」「審査の職責を尽くす」の業務展開原則(以下「業務展開原則」という)及び本手引の関連規定に基づき審査し,当該受取・支払の真実性,合理性とロジック性を確認しなければならない。 企業が貨物貿易に係る外貨受取を取り扱う際,銀行は資金性質を確認しなければならず,確認できない場合は速やかに企業に照合する。企業が貨物貿易に係る外貨支払を取り扱う際,銀行は取引証明書類に書かれた取引主体,金額,性質などの要素が,取扱を申請する外貨業務と一致するかについて確認しなければならない。 取引証明書類には,契約(協議),インボイス,輸出入通関申告書,出入国届出明細,運輸伝票,保税照合消込明細書などの有効な証憑や商業書類を含むが,それらに限定されるものではない。銀行は業務展開原則と業務の実際状況に基づき,審査する取引証明書類の種類について自ら決めることができる。B類,C類企業の貨物貿易に係る外貨受取・支払業務については,本手引第3節「企業分類」の関連規定に基づき取り扱う。(「手引(2020年版)」第11条) 銀行は貨物貿易に係る外貨業務に関し,顧客調査,真実性審査,電子書類審査などの内容を含む内部統制制度を作成し,貨物貿易に係るそれぞれの外貨受取・支払業務について業務ルールを定め,貨物貿易受取・支払リスク業務リストを作成し,内部管理体制を整備し,規定に基づき遅滞なく,正確に,完全に所在地の外貨管理局に関連情報を報告・送付しなければならない。(「手引(2020年版)」第13条) 外貨管理局は,企業による外貨管理規定の遵守情況などを勘案し,企業を第8章 第9章 第10章 付属文書 第7章 173

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