中国の外貨管理2023
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2.「外国為替管理条例」が定める違反行為 主要内容 規定に違反し国内外貨を国外に移転する,欺瞞的手段で国内資本を国外に移転するなどの外貨隠匿行為。(第39条) 人民元で受取・支払をしなければならない代金について外貨で受取・支払をする行為。虚偽・無効の取引書類などによって金融機関から外貨を中国では,次の通り多くの行為が「外国為替管理条例」違反として罰金を課せられるので留意されたい。 2014年6月より,国内保証・国外借入関連規制が緩和され,保証の事前認可,保証履行時の認可及び大部分の資格制限は撤廃された。 銀行業金融機関は国外への商業ベースの貸出ができる。銀行以外の国内機関も外貨管理局の承認を受ければ国外宛商業ベースの貸出ができる。外貨管理局での登記が必要。(第20条) 外貨預金での留保,または銀行への売渡には外貨管理局の承認が必要である。ただし国が承認不要と定めたものは除かれる。(第21条) 有効な書類に基づき自己保有外貨を使うか,銀行から外貨を購入し支払う。事前の承認が必要との規定があるときは外貨管理局の承認を受ける。(第22条) 国外への商業 ローンの許容 資本項目 受取外貨の 国内での取扱 資本項目支払外貨の取扱 (出所)「外国為替管理条例」など 項目 資本項目外貨及びその元転による人民元資金の使途を当局がトレース,検査する。(第23条) 目的外の使途に対する取締り規定である。 2016年6月より,国内機関の資本項目外貨収入の自由元転に関する規定を統一し,資本金と外債資金の使途規制を緩和した。 資本項目の 外貨,外貨元転資金の使途の検査 外国為替管理機関が金融機関に対し総合ポジション管理を実施する。(第25条) 2016年4月29日より総合ポジション下限を拡大した。それにより銀行がマイナスポジションをさらに保有することとなった。 金融機関の ポジション 管理 金融機関の 元転・外貨転を規制 管理変動 相場制 金融機関の「資本金・利益」及び「元資産と外貨資産のアンマッチを理由とした」元と外貨との交換は外貨管理局の承認事項。(第26条) 人民元の為替レートについて市場の需給をベースとした管理変動相場制度を実施。(第27条) 国務院の外国為替管理部門は為替市場の変動及び金融政策の要請に基づき市場に対し調節を行う。(第32条) 政府の 市場介入 (出所)「外国為替管理条例」など 違反行為種類 外貨の隠匿行為 外貨の違法取得 不動産,株式市場などへの投機資金の流入抑制を狙った規定。 「資本項目元転管理政策の改革及び規範化に関する通達」(匯発[2016]16号) 金融機関による自行ディーリングの余地を規制。「貿易・投資のさらなる利便性向上,真実性審査の完善化に関する通達」(匯発[2016]7号) 改定前の「条例」にはない規定。 従来どおり。 従来どおり。 条文 (匯発[2014]29号) 商業ベースの国外貸出を「条例」上で初めて認めた。 「ただし」以下が追加。 資本取引の支払であっても原則上,銀行での取扱が可能となった。 備考 137

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