中国の外貨管理2023
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*** Point ***! 第1節 外国為替管理条例 1.「外国為替管理条例」の主な改定内容 項目 目的 経常項目 対外支払・移転 国内での 外貨流通 有事規制 受取外貨の 主要内容 為替管理の強化,国際収支の均衡,国民経済の健全な発展を促進する。(第1条) 制限せず。(第5条) 国内での外貨流通・外貨建て建値・外貨決済の禁止。ただし国が別途定める場合を除く。(第8条) 国際収支のアンバランス,国民経済の危機の恐れがあることを理由とする規制措置を講ずることができる。(第11条) 国内機関も国内個人も受取外貨は国内に送金する従来は経常・資本項備考 変更なし。 変更なし。 「ただし」以下が追加された。 有事規制の概念を新たに採用。 直接投資に係る外貨(外貨預金(现汇)・人民元を含む)登記は,直接投資関連外貨業務を行うための前提条件である。外国投資家は中国国内で直接投資を行う際,国内直接投資(FDI)に係る外貨登記を行う必要がある。外貨登記を行うことにより,直接投資に係る口座開設や送金・両替などを行うことが可能となる。21年1月に公布された「資本項目外貨業務手引(2020年版)」(资本项目外汇业务指引(2020年版))(匯綜発[2020]89号)に基づき,申請主体が所在地の銀行あるいは外貨管理局で関連資本項目の外貨登記手続を行うことができるようになった。 中国の外貨管理の基本法規は「外国為替管理条例」(外汇管理条例)(以下「条例」という)である。「外国為替管理条例」は1996年1月29日に公布(同年4月1日施行)され,その後97年1月14日付で改定,08年8月5日付で再度改定された。 2008年の改定後の「外国為替管理条例」の主な改定内容を下記に掲げた。特筆すべき点は外資系企業(外商投資企業)も中資系企業も「条例」上は国内機関として区別していないことである。 135第1章外貨管理と外貨登記

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