中国の外貨管理2023
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 支払準備金の振替は要件を満たす清算機関を通じ行うこと。支払機構間の支払準備金の振替は要件を満たす清算機関を通じ行うこと。  支払準備金の出金・入金及び自己保有資金の振替に係る範囲及び方式の詳細を定めたこと。  違反に対する罰則の規定を追加したこと。  上記銀弁発[2018]114号をベースに,クロスボーダー人民元支払専用口座,ファンド販売決済専用口座,クロスボーダー外貨支払専用口座の管理を最適化した。 ステップ2:約50%の支払準備金を人民銀行の利息の付かない専用口座に預け入れ 第三者決済機関に対し,2017年4月17日から一部の支払準備金を人民銀行の利息の付かない専用口座に預け入れなければならないと要求した。 人民銀行への支払準備金の預け入れ比率を50%前後に引き上げるとした。 ステップ3:100%の支払準備金を人民銀行の利息の付かない専用口座に預け入れ 2018年7月9日から段階的に支払準備金の預け入れ比率を引き上げ,19年1月14日には100%まで引き上げるとした。比率の引き上げとともに,第三者決済機関がこれまでに商業銀行で開設した支払準備金口座の解約を求めた。ただし,クロスボーダー人民元支払準備金口座(1口座のみ),ファンド販売決済専用口座(1口座のみ),プリペイドカード支払準備金口座(1口座のみ),外貨支払準備金口座は除外される。 ステップ4:支払準備金に対する監督管理をより一層厳格化 旧規則に比べ新規則では以下の内容を明確化。  支払準備金は全て人民銀行あるいは要件を満たす商業銀行に預け入れること。 (出所)人民銀行など (2)「網聯1」の構築 資金の流れの把握やマネーロンダリング対策の確実な遂行のために,人民銀行は第「支払機構の顧客から受入れる支払準備金の集中預かり管理の実施に関する事項の通達」(中国人民银行办公厅关于实施支付机构客户备付金集中存管有关事项的通知)(銀弁発[2017]10号) 「支払機構の顧客から受入れる支払準備金の集中納付・預かり比率の調整に関する通達」(中国人民银行办公厅关于调整支付机构客户备付金集中交存比例的通知)(銀弁発[2017]248号) 「支払機構の顧客から受入れる支払準備金の全額集中納付・預かり関連事項についての通達」(中国人民银行办公厅关于支付机构客户备付金全部集中交存有关事宜的通知)(銀弁発[2018]114号) 「非銀行支払機構の顧客から受入れる支払準備金の預かり管理規則」(非银行支付机构客户备付金存管办法)(人民銀行令[2021]第1号) 128 1 網聯清算有限公司は,2017年8月29日に設立。設立時の株主構成について,人民銀行及び国家外貨管理局傘下の7機関が株式の約4割を保有,残りは第三者決済機関計38社により保有されている。筆頭株主は人民銀行清算総センター(中国人民银行清算总中心,出資比率12%)。次いで国家外貨管理局100%出資の梧桐樹投資平台有限責任公司(梧桐树投资平台有限责任公司,同10%),アリペイ(支付宝(中国)网络技术有限公司,同9.61%)及びウィーチャットペイ(财付通支付科技有限公司,同9.61%),京東(大手eコマース)傘下の京東支付(网银在线(北京)科技有限公司,同4.71%)などが株主に名を連ねている。

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