中国の外貨管理2023
133/393

§第10章 インターネット金融とモバイル決済 第1節 インターネット金融 内容(抜粋) 1.第三者決済機関 (1)設立要件 項目 最低資本金 ①全国範囲での支払業務に従事:登録資本の最低限度額は1億人民元。 ②省(自治区,直轄市)内での支払業務に従事:3千万人民元とする。 ③外国企業が投資する支払機関の業務範囲,国外の出資者の資格条件及び出資比率等は,中国人民銀行が別途定め,国務院に報告し承認を求める。 (第9条) 主要出資者とは申請人を実際に支配している出資者及び申請人の10%以上の出資権を保有している出資者を含む。 主要出資者の条件 中国では,銀行以外の異業種が利用者に提供する決済サービスを「第三者決済」と呼ぶ。スマートフォンを使ったモバイル決済サービスの急拡大にともない,第三者オンライン支払プラットホーム(第三方网上支付平台)ともいわれる第三者決済機関が増えている。 また2022年7月21日に施行された「新業態の対外貿易に係る越境人民元決済の支援に関する通達」(中国人民银行关于支持外贸新业态跨境人民币结算的通知)(銀発[2022]139号)により,中国域内の銀行はインターネット支払業務許可証を取得した第三者決済機関,資格を有する清算機関と連携し,越境ECや海外倉庫,貿易サービス事業者及び個人などに対し,経常項目でのクロスボーダー人民元決済サービスを提供することが可能である。銀行と第三者決済機関によるクロスボーダー人民元決済業務の共同展開に関する要件は以下の通り。 ①銀行が3年以上の関連業務歴を保有 ②決済事業者が直近2年間にルール違反行為無し ③AML/CFT対策が整備など 人民銀行は2010年9月1日に施行した「非金融機関支払サービス管理規則」(非金融机构支付服务管理办法)(人民銀行令[2010]第2号,国発[2016]11号及び人民銀行令[2020]第2号により改定)で,第三者支払サービスを取扱う非金融機関に対して「支払業務許可証」(支付业务许可证)の申請取得を求めた。 「非金融機関支払サービス管理規則」に基づく要件の概要は次の通りである。 125

元のページ  ../index.html#133

このブックを見る