中国の外貨管理2023
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第11節 銀行カードに対する管理 1.現金引出限度額 (1)国内ATMでの現金引出限度額入 (2)国外ATMでの現金引出限度額 銀行(バンクオブチャイナ)東京支店が09年11月に「銀聯標準日本円デビットカード」(银联标准日元借记卡)を発行した。また,工商銀行の在日拠点では,同行及び中国銀聯ネットワークでの利用が可能なデビットカードを発行した。日本の金融機関との提携については,07年12月に三井住友銀聯カード,10年3月に三菱UFJニコス銀聯カードの発行が開始された7。また,みずほ銀行の海外発行カード専用ATMにおいて銀聯カードでの現金の払出(円貨)・残高照会サービスが可能である8。 近年,銀聯は世界各地でモバイル決済事業を展開しており,2022年9月時点で,「UnionPay」アプリをはじめ世界30の国・地域,計140以上のウォレットサービスに銀聯のQRコード決済機能を搭載している9。日本での進出状況については,銀聯国際のウェブサイトによると,21年4月1日から日本全国の約1万台の自動販売機で銀聯QRコード決済の利用が可能となった10。同社ウェブサイトによると,6月時点で日本における加盟店数は130万店を突破し,9月現在日本におけるUnionPay決済の普及率は約75%,東京・大阪では90%以上に達している11。 人民銀行は2007年5月に「個人支払決済サービスの改善に関する通達」(关于改进个人支付结算服务的通知)(銀発[2007]154号)を公布し,「デビットカードによるATMでの現金引出限度額」を従来の「1日当たり累計で5,000元」から2万元に引き上げた。商業銀行はこの限度額の範囲内で自行のカード使用による一回当りの現金引出限度及び毎日の累計引出限度を定めることができるとした。 なお,クレジットカード(贷记卡)の場合,人民銀行の「クレジットカード業務関連事項に関する通達」(中国人民银行关于信用卡业务有关事项的通知)(銀発[2016]111号)に基づき,2017年1月1日より毎日の累計限度額を1万元に引き上げた。準クレジットカード(准贷记卡)の場合は,従来どおり5,000元としている。 国内銀行カードによる国外ATMでの現金引出限度額について,外貨管理局は2017年12月29日付で「海外における銀行カードによる大口の現金引出取引の規範化に関する通 7 http://jp.unionpay.com/japaneseCup/japaneseBusi/file_4827157.html 8 https://www.mizuhobank.co.jp/tenpoinfo/atm/international_card/index.html 9「银联国际克服疫情影响 持续完善全球业务布局」 銀聯ウェブサイト 2022年9月30日 10「UnionPay QRコード決済が全国の自動販売機で利用可能に」2021年3月25日 11「UnionPay QRコード決済を導入開始」2021年9月30日 123

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