３．委託貸付 項目 委託貸付への使用が禁止される資金 委託貸付資金の使途禁止事項 資金源に対する 審査・算定強化が 必要な事項 銀行（受託者）の 禁止行為 （出所）「商業銀行委託貸付管理規則」 内容（抜粋） 法集金の防止及び処分条例」（防范和处置非法集资条例）（国務院令第737号）により，違法集金への参加で被った損失は違法集金の参加者自ら負うものとした。違法集金とは，当局の許可無しまたは国の金融管理規定に違反し，元利金の返済あるいはその他の投資収益を承諾する等の方法で，不特定の対象から資金を集める行為を指す。 委託貸付（銀行を仲介した資金の出し手と取り手との間の資金貸借）は，企業間貸借の目的を達成できる合法的な手段である。資金の出し手が資金の取り手を指定できるため，企業の余剰資金の運用の場ともなっている。 委託貸付は銀行を仲介した資金の出し手と取り手との間の一対一の資金貸借モデルであるが，委託者は銀行に委託し複数の借手に貸付を実行することができる。更に他の委託者とともに銀行に委託し単独の借手或いは複数の借手に貸付を実行できる。グループ企業間での委託貸付を行うためには，関係者の間で契約書等の法律文書を作成することが前提である。銀行はCMSのCash Poolingシステムに委託貸付関係を組み入れて，委託貸付の金利は当事者間が決定する。グループのメンバーがグループ本部に資金を預ける場合，また取り入れる場合の金利を個別に変更することもできる。 なお，2018年1月5日付で公布された「商業銀行委託貸付管理規則」（商业银行委托贷款管理办法）（銀監発[2018]2号）では，委託貸付の定義，委託者・受託者の職責，資金源，資金の使途，受託者の禁止行為などを具体的に列挙することにより，委託貸付業務の規範化が図られた。主な内容は下表の通り。 ①管理を受託する他者の資金，②銀行の与信資金，③特定の用途を有する各種専用基金，④その他の債務性資金，⑤出所を証明できない資金 ①国家が禁止している領域及び用途に係る生産，経営もしくは投資 ②債券，先物，金融デリバティブ商品，資産運用商品等への投資 ③登録資本金，持分権益性投資または増資・持株増への使用 ④その他の監督管理規定に違反している用途 ①委託者の委託資金がその正常な収入源・資金力を超えているか否かについて ②委託者が銀行で与信残高を有している場合について ①委託者に代わって借入人を確定すること ②委託者の貸出意思決定に参画すること ③委託者に代わって資金を立て替えて委託貸付を実行すること ④借入人に代わって担保人を確定すること ⑤借入人に代わって資金を立て替えて委託貸付を返済すること ⑥信用貸出，資産運用資金を用いて直接もしくは間接的に委託貸付を請負うこと ⑦委託貸出のために各種形式の担保を提供すること ⑧委託貸出業務の性質を改変するその他の契約・合意書を締結すること ⑨代わりにリスクを引き受けるその他の行為 97
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