中国の外貨管理2023
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(2)貸出金の使途に対する制限 項目 金銭消費 貸借契約 保証付貸出 抵当権付貸出或いは質権付貸出 (出所)「貸出通則」 No. 金融機関は契約にしたがって,貸出を実行しなければならない。借主は契約の約定にしたがって借入金を全額引き出し,使用する権利を有し,貸借契約以外の付加的条件を拒絶する権利を有する(現行通則の第18条) 貸出人が契約で定める通りに貸出を実行しない場合は借主に違約金を払わなければならず,借主が契約に定める通りに資金を使用しない場合には貸出人に違約金を払わなければならない(現行通則の第30条) 1 2 (出所)「貸出通則」 No. 貸出を実行後,金融機関は借主が貸借契約の履行や,また借主の経営状況に対し追跡調査と検査を行い,貸出の使途についても監督しなければならない。借主が定められた使途に違反して貸出金を流用し,そのために貸出金の期日どおりの安全な回収に影響がある場合には,銀行は新たな貸出の実行を停止する権利を有する。なお,予め書面で約定することによって貸出銀行は,元利金の弁済遅延が発生するときは,その銀行に開設された借主の預金口座から元利金の引落ができる(意見聴取稿の第45条) 貸出銀行は,短期貸出の場合は約定返済日の1週間前までに,中長期貸出の場合は,1ヶ月前までに,借主に対し元利金弁済の通知をするものとされている。借主は,貸借契約の規定にしたがい借入金の元利金を期日に満額弁済しなければならない。貸出銀行は貸借契約に定める期限に弁済できない貸出については,規定にしたがって罰則利息を徴収する(現行通則の第32条) 貸出金の期前返済は,借主が金融機関と協議しなければならない(意見聴取稿の第13条)。借主が期日到来にもかかわらず担保付貸出を弁済しない場合は,商業銀行は法にしたがって貸出金の元利金の弁済について保証履行を請求するか,またはその担保物件により優先償還を受ける権利を有する。借主が期日到来にもかかわらず,信用扱いの貸出を弁済できない場合は,契約の約定にしたがった責任を引き受けなければならない 1 2 3 (出所)「貸出通則(意見聴取稿)」「貸出通則」 内容 内容 内容 ④貸出の実行 ⑤貸出の管理と回収 意見聴取稿の第23条では銀行貸出金を次の使途に使ってはならないとしている。下記の②及び③項目について,「国の規定に反し」との条件がついており,国の規定契約では,借入の種類,借入金の使途,借入金額,借入金利,借入期間,弁済方式,貸借双方の権利と義務,違約責任ならびに双方の約定が必要と認めるその他の事項を取り決める(現行通則の第29条) 保証人と貸出人は保証契約に調印するか,あるいは保証人が貸借契約上に貸出人と協議して合意した保証条項を記載し,保証人の法人の公印を押捺,かつ保証人の法人代表またはその授権された代理人が氏名を自署しなければならない(現行通則の第29条) 抵当権設定者または質権設定者が貸出人と抵当契約あるいは質権契約を締結し,登記が必要なものは登記をしなければならない(現行通則の第29条) 94

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