概要
- 日本の金利は、2028年度にかけて政策金利が1.5%、長期金利が3%まで上昇する見込み
- 現在の中立金利は1.5~2.0%程度とみられ、政策金利は少なくとも1.5%まで上昇余地あり
- 政策金利・長期金利の上昇に伴い、家計・企業が直面する各種金利も上昇へ。2028年度には、普通預金金利が0.6%、住宅ローン変動金利が1.7%、企業の有利子負債利子率が2.8%に
- 今後1.5%までの利上げに伴い、家計では年間6兆円超のプラス効果、企業では累計2.2%の利益下押し効果が発生
- 家計全体では、預金等の利子収入増と配当収入増が住宅ローン利払い増を大きく上回り、年間6.3兆円のプラス
- ただし、対象を負債保有世帯に限ると、配当増を考慮しても今後の利上げ影響が差し引きマイナスに。特に若年層や低・中所得層に利上げの負担が集中
- 企業全体では、2028年度までの金利上昇によって経常利益が累計で2.2%(約2.6兆円)下押しされると試算
- とりわけ、中・小規模企業で利益下押し影響が大きい。有利子負債依存度の高さや利益率の低さが背景。産業別では、非製造業の一部で金利上昇による利益へのマイナス影響が大きくなりやすい傾向
- 家計の資産選択行動は構造的に変化。今後はリスク資産保有がさらに増加する一方、預金の伸びが減速する見込み
- 経済環境の変化に加え、投資促進制度の充実化も加わり、「貯蓄から投資へ」が定着。家計の資産運用ニーズはますます強まる見込み
- ただし、金融資産の選択行動は年齢・年収により大きな差あり。20歳代では所得が低い世帯でもリスク資産比率が高い一方、40~60歳代では中・高所得世帯でもリスク資産比率が低い傾向
- 今後、2030年にかけて家計金融資産が約2,600兆円に増加(2024年対比+354兆円)。株式・投資信託(同+336兆円)が増分の大半を占めるほか、安全資産の運用ニーズを受けて定期預金(同+67兆円)、債券(同+9兆円)も増加。一方、現金・普通預金は同▲32兆円と緩やかに減少する見込み
